奈落のぼれろ

終活はじめました

いじめは、する側される側どちらの尊厳も失わせる危険性を持つ

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私は小学校でセクシャリティ絡みのいじめ、つまり性的ないじめを受けてきました。最初は言葉の暴力だったけど、高学年になった頃から性的ないじめに切り替わりました。無理やり服を脱がされたり、詳細は伏せますが酷いことをされ続けてきたのです。

こういったいじめを受けた理由は、私が男子の中において異質の存在だったからです。私は男の子の皮を被った女の子でした。思考も言動も趣味も男子とかけ離れていました。学校でも職場でも、似た者同士が集まり派閥を形成し、異なる者は疎外され孤立するのが人間社会の常識です。特に子供社会の場合は、その傾向が強いと思います。

いじめは小学校を卒業するまで4年以上に渡って続きました。クラスの中から次第に学校全体に広がり、下級生からも笑われたり、からかわれたりしました。いじめは孤立を招きます。孤立すると自尊心は低下し、自分自身を受け入れられなくなります。学校を卒業する頃には、私の自尊心とプライドは殆ど崩壊していました。

それでですね、子供が受けるいじめに大小の差はないと思うんです。私が受けたいじめは確かに酷いものでしたけど、それ以外でも暴力を伴ういじめ、言葉によるいじめ、陰口による精神的ないじめ、場合によっては孤立だって一種の集団的ないじめだと思うし、どんな内容のいじめであっても、される側の子供にとってはどれも同じ位につらいものだと思います。子供って、些細なことでも酷く傷付きやすい繊細な心をしていますからね。

でも、子供って親のことが好きだから、親に心配を掛けさせたくないという心理が働きます。いじめられていることを自発的に訴えることは殆どの場合ないと思います。私も、学校は楽しくて友達もちゃんといる、と親に嘘をついていました。でも友達なんていませんから、休日や長期休暇(夏休みなど)はいつも家にいたんです。「たまには友達のところに遊びに行かないの?」と、長期休暇のたびに母に言われていました。この辺りで、いじめで孤立していることを察知して欲しかったなぁと、ちょっぴり思います。

ある心療内科のホームページに、以下のような文章が掲載されていました。

7~11歳の小児期にいじめを受けた体験は、青年期早期(20代前半)から中年期(45~50歳)に精神的苦痛を増し、うつ病や不安障害、自殺念慮を増すなど後々まで影響を残すことが報告されており、小児期の不安、対人関係の困難、健康状態、社会的状況などにより脆弱性が増大すると考えられています。

うーむ、全てが私に当てはまる(泣)。いじめが如何に、人ひとりの人生を奪う行為かが分かって頂けると思います。人は思春期の人間関係を経験して、青年期に異性関係を経験して人格形成が完成すると言われています。私は小児期~思春期の人間関係を経験していません。その結果、人格形成どころか社会性を身につけられず、人間関係を築くことが困難になりました。

私の場合は特に不安障害が酷いです。人を信用できず、対人恐怖、パニックなどの症状を持っています。また、恋愛依存の傾向が非常に強く、誰かに依存しないと生きるのがつらいと感じます。恋人がいた時の私は少々、異常でした。見捨てられることが怖くて、嫌われないように必死になるんです。それと、自分だけを見て欲しいという欲求が強かったです。一種の独占欲だと思います。結果として、恋人だけでなく友達まで失うことになるんです。

いじめを受けた場合、心の傷を癒すことが何よりも大切であり、回復への近道だと思います。カウンセラーが全てだとは思いません。家族、友人・・・自分を大切に思ってくれる存在のほうが、むしろ傷を癒す力を秘めているように思うんです。そして尊厳や自尊心を取り戻すこと。残念ながら私には、それがないんです。だから自分を大切に思わないし、自分のことが嫌いです。今も傷は癒えていませんし、今でも奴らが夢に出てきます。その結果が自傷行為や自殺未遂、引きこもりへと繋がります。これは私の経験なのです。

もし、あなたがいじめられていたら、或いは子供がいじめられていたら、学校や会社のことなんてどーでもいいから逃げること。今すぐに逃げられない事情があるなら、逃げ道を用意しておくこと。我慢をして自尊心を失ってしまったら、社会に出ることが困難になってしまいます。それなら一時的に逃げてしまったほうがマシです。逃げることは恥ずかしいことではないですよ。それはそれで勇気ある選択だと思います。

私の母は、中学、高校で私がいじめを受けていることに気がついて、行きたくない時は学校を休ませる、旅行行事を休ませるなどの対応を取ってくれました。定時制高校、通信制の学校もあるのだから、最悪、学校をやめたっていいと母は言ってくれました。もう既に心はズタボロの状態だったので、時すでにお寿司だったんですけど(笑)、それでも気分的にとても助けられて嬉しかったのを覚えています。

そして、いじめをしている人間自身も、自分の人としての品性や人間性、尊厳を、いじめという行為によって無自覚で失ってしまう危険性があります。いじめという行為は、する側される側、双方にとってそれほど救いの無い行為なんです。そのことに多くの人が気付くことができたら、今よりは暮らしやすい世になるのではないかなぁ~と思います。

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上の続きみたいな内容だけど、私だって過去に人を傷つけたことがあるんですよ。人生で初めて恋人が出来た時、友達の女の子に恋人を紹介したことがありました。友達と恋人は気が合ったみたいで、すっかり仲良くなって意気投合したんですが、それが私には疎外感というか捨てられるような不安に襲われてしまったのです。それで、あとで友達に「必要以上に彼女に近付かないでくれる?」と言ってしまいました。

いつもは温厚な感じの私が、今まで見せたことが無いような強い態度で責めたからでしょう。友達は驚いて、何度も「ごめんなさい」と謝ってきて、ハッと私も気がついて友達に謝罪しました。でも、何であんな態度を取ってしまったのか、自分では全く分からなかったんです。その後も傾向は続いて、私の恋愛は常に不安と精神的ストレスの連続でした。

それで一度、冷静に自分を外から見てみたんです。そして少しずつ、自分の意識を変える努力をしました。徐々に独占欲を抑えられるようになりましたけど、それでも恋人が他の誰かと遊びに行ったりすると、激しい不安感と寂しさに襲われるんですよ。ぐっとこらえて、恋人の行動に口出ししない、程よい距離を保つ、これらを心がけましたね。二人でいても一人の時間を作れるくらいの心の余裕がないと、恋愛は難しいのでしょう。私にはそんな器が無いから、悲しいけど孤独を受け入れるしかなかったのです。死にたい(泣泣)。